ソニーデジカメ問題

日本でもニュースになっているのでご存じとは思いますが、中国浙江省の品質検査でソニーのデジカメが「不合格」とされた件。
中国ではセンセーショナルに報道されています。特に本日放送された中央電視台の「質量報告」という番組で詳細に取り上げられました。
しかしこの件、どうもいろいろと怪しげです。
今回問題となったのは上海ソニーおよび無錫ソニー製のデジカメ6機種が、中国の定める「JB10362-2002行業標準」に基づいて浙江省が実施した検査で、
 液晶輝度
 自動露出
 オートホワイトバランス
などの項目で不合格になったというもの。
この「JB10362-2002行業標準」、そもそも法律で達成が義務づけられているという基準では無いようです。浙江省の「不合格」判定も、あくまでも勧告であり、販売差し止めなどの強制力は無いらしい。
しかし、「ソニーが品質不合格」というインパクトからか、マスコミが大々的に報道して、騒ぎが大きくなりました。
ソニーは商品出荷にあたっては自社独自の品質基準を適用しており、「JB10362-2002」はそもそも適用していなかったようです。またそれが法律上問題があったわけでもありません。
オートホワイトバランスや自動露出なんてどんな条件でも正確なものなんて不可能で、メーカ毎・機種毎にクセは違うし、どんなのが正しいというのは一概に決められない。こんなのメーカのさじ加減でいいんじゃないのかなあ。
液晶の輝度にしても暗い場所での使い勝手や電力との兼ね合いもあるし、輝度が高ければいいって訳でも無いはず。
JB10362-2002という基準では不合格となるのは事実なんでしょうが、実際に問題があればすぐユーザからの反響があるはずで、中国以外も含めてすでに相当な台数が販売されている事を見ても、実際上露出やホワイトバランスに異常があるとは考えにくいと思います。
当初ソニーは今回の検査に異議を唱えていましたが、結局は謝罪した上該当機種を出荷自粛してしまいました。反響が広がるのを恐れ事態を収拾するために手を打ったという感じがします。
「質量報告」という番組自体も、ソニーのデジカメ6機種を「問題製品」と呼称し、
「販売自粛だけでは消費者は納得しない。問題製品の返品も実施すべき。」
などとかなりソニーに攻撃的でした。
コルゲート歯磨きが問題になった時にも感じましたが、この手の問題での当局やマスコミの対応に杜撰さを感じます。ソニー以外にも不合格となったメーカがあるはずなのですが、なぜかソニーだけが名指しですし。
このへんについては、いろんな見方もあるようですが....
怖い怖い。